【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。
美晴ちゃんをぎゅっと抱きしめた私は「大丈夫だよ」と言いながら美晴ちゃんの頭を撫でた。
私の横にしゃがみこんだ清良君が、はあっと息を地面に落とし、児童館に電話をかけてくれた。
そこから拓海と美晴ちゃんのお母さんにも美晴ちゃんが見つかったことが伝わり、近くのスーパーの駐車場で待ち合わせて迎えに来てもらうことにした。
先に拓海が車で到着し、お母さんが到着する間拓海の車の中で温まった。
それから5分もしないうちに美晴ちゃんのお母さんも車でやってきた。
「美晴っ!!今までどこ行ってたの!!」
拓海の車から降りるなり、美晴ちゃんのお母さんは美晴ちゃんに向かって大きな声で叫んだ。
美晴ちゃんは叩かれるとでも思ったのか両手で頭を守りながら「だって」と叫んだ、その瞬間だった。
美晴ちゃんのお母さんは綺麗な服が汚れるのも気にせずに、地面に膝をついて美晴ちゃんを抱きしめて、子どもが泣くように「わーっ」と声をあげて泣いたのだった。
それには清良君も拓海も私も本当に驚いて、中でも一番驚いていたのは美晴ちゃんだったのかもしれない。
一方の美晴ちゃんは、お母さんが泣くから自分は泣けずにいて、大きな目をぱちぱちさせて目玉はきょろきょろと色々な方向に動いていた。