【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。


「了解」



ぐっと立てられた清良君の力強い親指を見て、私はこくりと頷いてサラダの盛り付けの続きを始めた。







テーブルに冷ややっこ、餃子、からあげ、サラダを並べて置いて、清良君はビール、私は缶酎ハイのプルタブを開ける。



「よし、それじゃあ……乾杯!」



清良君の発声とともに、私たちの宴が始まった。



「っぷはあー!ビール久しぶりだ!この御恩はお給料入ったら返しますので!」



「はいはい。別に気にしなくていいのに……旅先では飲んだりしない?」



「そうだね。あ、でも工事現場で働いた時は、そこのおっちゃん達と一緒に居酒屋に飲みに行ったなあ」



「へえ。その工事現場で働いてた時の話聞きたい」



……と、大半が清良君の旅先での話になって、普段家と職場の往復の私にとっては、その話はとても新鮮に感じられた。


その話は全く尽きることがなくて、清良君の培ってきたものはあたたかいものだったのだなと、話を聞いている私の心までもがぽかぽかしてきた。

< 60 / 159 >

この作品をシェア

pagetop