【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。
私は、合羽男の頭の上にビニル傘を差しだした。
「あ、大丈夫ですよ。お姉さん濡れちゃいますから」
合羽男は私の差し出したビニル傘の柄を優しく私に戻すと、手に持っていたヘルメットを頭に被った。
「はい、これで大丈夫」
合羽男はバイクを持つようにして道路の縁石を乗り上げて歩道へと入れた。
「後ろから押そうか?」
「いいえ。大丈夫です。一晩泊めてくれるお姉さんにそこまでのお世話はさせられないですから。燃料切れていつもよりバイク軽いから余裕です」
「そう?じゃあ、家すぐそこだから頑張って」
「はい、ありがとうございます!」
私は、合羽男のバイクが押しやすいようにバイクの前を歩いて、できるだけ雪を押しつぶすようにして歩いた。