【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。
「あの、それ実は勘違いなんですよ」
その言葉にびっくりして振り返った。
「勘違いってどういうこと?」
不審そうに清良君をみる美晴ちゃんのお母さんに、清良君はぺこりと頭を下げて私の隣に並んだ。
「初めまして。僕、先月からこちらで働かせてもらっている大倉清良といいます。実は、彩音先生は外で遊んだらダメって言ったみたいなんですが、僕が気を利かせることできなくて、遊んでいいよって美晴ちゃんに言ってしまったんです。経験不足で……大変申し訳ありません。以降このようなことがないように気をつけますので」
清良君はそう言って、美晴ちゃんのお母さんに深く頭を下げた。
「あ……別に、いいのよ。そんなに謝らなくても」
美晴ちゃんのお母さんは、深く頭を下げた清良君に動揺したようだった。
「汚れた服なのですが、綺麗にして返しますので、今日はお預かりしてよろしいですか?」
「あ、ええ、はい……お願いします。ほら、行くわよ美晴」
美晴ちゃんのお母さんは、彩音ちゃんの下駄箱から靴を取り出して、彩音ちゃんの靴を履くのを手伝うと、いつもは繋がない美晴ちゃんの手をとって、そそくさと玄関から出て行ってしまった。