【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。
「ふう……これでよし。結構怖そうなお母さんだったけれど、あまり怒らなくて良かったね」
そう言って私を見て微笑む清良君。
「どうしてそんなに……」
「え?」
言葉を言おうとしたのと同時に、私の目からぽろりと涙が零れ落ちた。
その涙がすごく恥ずかしくて、見られたくなくて。
私は清良君に背中を向けて、職員室へ駆け込んだ。
「彩音さん!?」
私の後を追って職員室へ入って来た清良君に追いつかれないように、私はパタパタと足を速めながらそのまま職員室に繋がる館長室の扉をノックした。
江渡館長はまだ電話中なのだろうか。
返事がなかった。