【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。

こういう時に限って!

早く返事を返してくれ!

私は心の中で願いながら、さっき零れた涙を頬に刷り込むようにして手で拭った。


清良君の手が私の肩に触れたと同時に館長室の扉が開いた。



「あら?二人でどうしたの?」



「あのっ……美晴ちゃんが帰ったので、報告を……」



館長室の扉が開くと同時に清良君の手は私の肩の上にはなくて、力強い感覚だけがぼんやりと残っているだけだった。







江渡館長に一通りの事情を説明したところ、今日は遅いし今後のことは明日話しましょうということになり、遅番だった私たち二人は、そのまま岐路につくことになった。


冷え込んだ外のまっくらな空気の中に、冷たい小さなきらきらとしたダイヤモンドみたいな雪の粒が舞っていた。



「また積もるのかな?」



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