【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。
バイクをアパートの横の自転車置き場に停めて、部屋がある二階へと続く鉄の階段を上る。
雪が積もっていたから慎重に上っていたつもりだったけれど、雪の下の鉄の階段の上に氷が張っていたようで、私は思いっきりバランスを崩して後ろに倒れこんでしまった。
「うおっ!大丈夫ですか!?」
倒れこんだ私を受け止めてくれたのは合羽男だった。
合羽男は片方の手は手すりにつかまったまま、私の体を片手だけでひょいと起こしてしまった。
「ありがとう。すごい力持ちなんだね」
「ああ。引っ越し屋でアルバイトして筋肉もりもりになったんです」
「それは頼もしい。君が私の背中を守ってくれたら、さぞ安心だろうね」
「ボディーガードってやつですか?」
「まあ、そういうことかな」
背負っていたリュックから鍵を出し、部屋の鍵を開けて「どうぞ」と言って合羽男を部屋へ招き入れた。