【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。
「そうなんだけれど……クマできて顔変だから」
「大丈夫じゃない?化粧でなんとかなるでしょ?」
その言葉と同時にタオルを押さえていた私の手の上から清良君の手が重なって握られたかと思うと、タオルを下にずらされてしまった。
タオルを避けられたと同時に清良君の顔が目の前にあって、びっくりした私は咄嗟に顔事視線を逸らしてしまった。
「顔……近いっ!」
「え、あ……ごめんっ」
清良君は驚いたように、パッと素早く手を離すと「俺、着替えて来るわ」と言って部屋へ行ってしまった。
「……うっわぁ……」
顔の熱を冷ますようにして、冷え切ったタオルで顔を押さえた。
そして、出会った頃からやたらと清良君の頭を意識もせずに撫でてしまっていた自分に後悔した。
清良君がやたらと距離が近いのは、私の最初のそれが原因なんじゃないかと思えたからだ。
でも逆に考えると、清良君が私にやたら触ってくるのって、私が清良君のことをトイプードルみたいって思ったように、そういうペット?みたいに感じてるってことなのかな。