【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。
部屋の中はほっこり暖かくて、顔だけがじんわりと暖かくなるのを感じた。
「お邪魔しますっ!」
合羽男は、背負っていた大きなリュックをドサリと地面に降ろし合羽を脱ぎ始めた。
脱いだ合羽の水気を玄関先でパンパンと、洗濯物を乾かすときみたいに払うと、リュックの中からビニール袋を出して入れようとした。
「ハンガー貸すよ。乾かしたら?」
「え!?いいんですか!?」
「いいもなにも、濡れたまま入れたら劣化しちゃうんじゃない?脱衣所に除湿器あるしすぐ乾くよ。貸して」
「ありがとうございます!」
合羽男は、合羽をきちきちと綺麗に畳んで、私にお供え物かなにかするように頭を下げて両手で差し出した。
そしてボロボロの足首ぐらいの長さがある茶色い革のブーツ脱ぐと、それも玄関先にきちっと揃えて置いた。
「とりあえずそのまま脱衣所に行ってシャワー浴びておいでよ。そのままじゃ寒いでしょ?」
私は、合羽男の背中を「ほらほら」と後ろから押して脱衣所に一緒に入り、合羽をハンガーにかけ、物干しラックにかけると、バスタオルなどを渡し給湯器のスイッチを入れた。