君と僕と


部屋へ戻り、掛けてあったワイシャツの袖に手を通す。 

ゆっくりと下からボタンを留めていく。

留め終え、南雲高校の制服に手を伸ばす。

僕には合わないんだよなあ、こういうの。

恭介みたいな人だったらいいのに、と思いながら、渋々手を通して行く。

「ふぅ…よし。行こう」

机のそばに置いていた鞄を持つ。

そして、
「…行ってきます」
誰も居ない部屋に向かって挨拶をする

ガチャ

ドアの向こうの世界は、綺麗なピンク色に染まっている。

僕は自分の居場所を確かめるように、ゆっくり確実に足を踏み出していった。


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