傷痕~想い出に変わるまで~
扉を開けるボタンを押そうとした時には時既に遅く、扉は閉まりエレベーターが動き出した後だった。
「あーっ…間に合わなかった…。」
「次の階のボタン押せよ。」
「あ、そうか。えっと、今5階だから…。」
5階より下のボタンを押そうとした時、エレベーターがキューッと静かに軋む音をたててゆっくり止まった。
「ああっ!!」
「…止まったな。」
どうしよう?!
確か金城くんが2時間くらい止まるって言ってたのに!
門倉はオロオロしている私を呆れた顔で見ている。
おまけにエレベーター内の照明まで落ちてしまった。
「ああぁっ!!電気まで消えた!!」
恐怖と緊張感で心拍数がどんどん上がる。
「落ち着けよ。緊急時のボタンあるだろ。」
「あ、そうか。」
緊急時呼び出しのボタンを慌てて押した。
「ん…あれ?」
何度押しても反応がない。
「なんで?なんの応答もないんだけど!!」
必死の形相でガチャガチャとボタンを押し続ける私の手を門倉が大きな手で握って止めた。
「なんかの手違いで電気系統まで全部止まってるんだな。慌ててもしょうがないからちょっと落ち着け。」
真っ暗なエレベーターに閉じ込められてしまったのに、落ち着いている余裕なんてあるわけがない。
「こんな時に落ち着いてられないよ!」
とにかく誰かに気付いてもらわなければと、門倉の手を振り払って必死でドアを叩いた。
「あーっ…間に合わなかった…。」
「次の階のボタン押せよ。」
「あ、そうか。えっと、今5階だから…。」
5階より下のボタンを押そうとした時、エレベーターがキューッと静かに軋む音をたててゆっくり止まった。
「ああっ!!」
「…止まったな。」
どうしよう?!
確か金城くんが2時間くらい止まるって言ってたのに!
門倉はオロオロしている私を呆れた顔で見ている。
おまけにエレベーター内の照明まで落ちてしまった。
「ああぁっ!!電気まで消えた!!」
恐怖と緊張感で心拍数がどんどん上がる。
「落ち着けよ。緊急時のボタンあるだろ。」
「あ、そうか。」
緊急時呼び出しのボタンを慌てて押した。
「ん…あれ?」
何度押しても反応がない。
「なんで?なんの応答もないんだけど!!」
必死の形相でガチャガチャとボタンを押し続ける私の手を門倉が大きな手で握って止めた。
「なんかの手違いで電気系統まで全部止まってるんだな。慌ててもしょうがないからちょっと落ち着け。」
真っ暗なエレベーターに閉じ込められてしまったのに、落ち着いている余裕なんてあるわけがない。
「こんな時に落ち着いてられないよ!」
とにかく誰かに気付いてもらわなければと、門倉の手を振り払って必死でドアを叩いた。