傷痕~想い出に変わるまで~
告白
ベッドの上で何度も寝返りを打っては起き上がり、またベッドに倒れ込んでジタバタしては寝返りを打っているうちに夜が明けてしまった。
東の空がすっかり白んでいる。
仕方なく起き上がり、仕事に行く支度を始めた。
一睡もできずぼんやりした頭をシャキッとさせようと、少し濃いめのコーヒーを淹れた。
どんな顔して会えばいいんだろ…。
中高生じゃあるまいし、いい歳して情けないとは思うけど…生まれてこのかたこんな経験はなかったから、どうしていいのかわからない。
自分の気持ちもよくわからないのに。
いつもより少し早めに出社した。
気を抜いていると睡魔に襲われそうになり、眠気覚ましにコーヒーを買って喫煙室に向かった。
あくびを噛み殺しながら喫煙室のドアを開けると、門倉が一人ぼんやりした様子でタバコを吸っていた。
これではまた喫煙室に二人きりだ。
一瞬後退りしかけたけれど、ここで避けるのも大人げないと思い直し、喫煙室に入ってゆっくりドアを閉めた。
「……おはよう。」
「ああ…篠宮か。おはよう。」
ぎこちない挨拶を交わして、門倉からひとつ離れた椅子に座った。
うう…気まずい…。
静かな喫煙室に、ライターの着火ボタンを押す音がやけに大きく響く。
「昨日あれから…あいつと会ったのか?」
門倉が顔をそむけたままで尋ねた。
きっと門倉も気まずいのは私と同じなんだろう。
「…もう時間も遅かったから会わずにまっすぐ家に帰った。」
「…そうか。」
そう呟いて門倉はタバコに口をつけた。
東の空がすっかり白んでいる。
仕方なく起き上がり、仕事に行く支度を始めた。
一睡もできずぼんやりした頭をシャキッとさせようと、少し濃いめのコーヒーを淹れた。
どんな顔して会えばいいんだろ…。
中高生じゃあるまいし、いい歳して情けないとは思うけど…生まれてこのかたこんな経験はなかったから、どうしていいのかわからない。
自分の気持ちもよくわからないのに。
いつもより少し早めに出社した。
気を抜いていると睡魔に襲われそうになり、眠気覚ましにコーヒーを買って喫煙室に向かった。
あくびを噛み殺しながら喫煙室のドアを開けると、門倉が一人ぼんやりした様子でタバコを吸っていた。
これではまた喫煙室に二人きりだ。
一瞬後退りしかけたけれど、ここで避けるのも大人げないと思い直し、喫煙室に入ってゆっくりドアを閉めた。
「……おはよう。」
「ああ…篠宮か。おはよう。」
ぎこちない挨拶を交わして、門倉からひとつ離れた椅子に座った。
うう…気まずい…。
静かな喫煙室に、ライターの着火ボタンを押す音がやけに大きく響く。
「昨日あれから…あいつと会ったのか?」
門倉が顔をそむけたままで尋ねた。
きっと門倉も気まずいのは私と同じなんだろう。
「…もう時間も遅かったから会わずにまっすぐ家に帰った。」
「…そうか。」
そう呟いて門倉はタバコに口をつけた。