傷痕~想い出に変わるまで~
昼休み。
社員食堂に向かう途中で門倉を見かけた。
また今朝のことを思い出してしまい、顔を合わせるのが気まずくて社員食堂に向かう人混みの影に隠れようとすると、突然門倉が振り返って目が合った。
……こっち見てるよ…。
しかも今日は同僚と一緒じゃなくて一人らしい。
門倉はそのまま社員食堂には入らず、入り口の前で待ちかまえていた。
「隠れることないだろ。」
「…だって。」
今朝あんなことがあったばかりなのに、門倉はなんでこんなに何事もなかったような顔していられるんだろう。
私は恥ずかしくて顔を上げることもできないのに。
うつむいていると門倉が少し顔を近付けて私の顔を覗き込んだ。
えっ、まさかまたこんなところで?!
「ん?篠宮、なんか顔色悪いぞ。」
「えっ?!ああ…そう?」
焦った…。
まさかそんなことはないと思ったけど、またキスされるんじゃないかなんて一瞬でも考えた自分が恥ずかしい。
「体調でも悪いのか?」
「いや…大丈夫。」
「ホントに大丈夫か?」
「夕べ眠れなかっただけだから。」
あっ…しまった!
昨日のエレベーターでのできごとで頭がいっぱいになって眠れなかったって言ってるようなもんじゃないか!
「ふーん?眠れなかったんだ。」
門倉は意地悪な笑みを浮かべて私に一歩近付いた。
「それは俺のせい?」
「いや…あの…。」
「責任取って膝枕でもしてやろうか?」
何その余裕の態度?
ううっ…門倉のくせになんかムカつく…!
「バカッ!!そんなの要らないよ!」
社員食堂に向かう途中で門倉を見かけた。
また今朝のことを思い出してしまい、顔を合わせるのが気まずくて社員食堂に向かう人混みの影に隠れようとすると、突然門倉が振り返って目が合った。
……こっち見てるよ…。
しかも今日は同僚と一緒じゃなくて一人らしい。
門倉はそのまま社員食堂には入らず、入り口の前で待ちかまえていた。
「隠れることないだろ。」
「…だって。」
今朝あんなことがあったばかりなのに、門倉はなんでこんなに何事もなかったような顔していられるんだろう。
私は恥ずかしくて顔を上げることもできないのに。
うつむいていると門倉が少し顔を近付けて私の顔を覗き込んだ。
えっ、まさかまたこんなところで?!
「ん?篠宮、なんか顔色悪いぞ。」
「えっ?!ああ…そう?」
焦った…。
まさかそんなことはないと思ったけど、またキスされるんじゃないかなんて一瞬でも考えた自分が恥ずかしい。
「体調でも悪いのか?」
「いや…大丈夫。」
「ホントに大丈夫か?」
「夕べ眠れなかっただけだから。」
あっ…しまった!
昨日のエレベーターでのできごとで頭がいっぱいになって眠れなかったって言ってるようなもんじゃないか!
「ふーん?眠れなかったんだ。」
門倉は意地悪な笑みを浮かべて私に一歩近付いた。
「それは俺のせい?」
「いや…あの…。」
「責任取って膝枕でもしてやろうか?」
何その余裕の態度?
ううっ…門倉のくせになんかムカつく…!
「バカッ!!そんなの要らないよ!」