傷痕~想い出に変わるまで~
決断
何事もないまま週が明けた。
あれからずっと考えたけど、今私がどうするべきなのか、私はどうしたいのか答は出ないままだ。
会社で門倉と顔を合わせてもまともに目を見ることもできないから、必要以上の会話もせずにその場を離れる。
今日は自販機の補充に来ていた光を見かけた。
光が来る日を知っているのか、また営業部のあの子が一生懸命光を口説いていた。
“私と付き合って”と言う彼女に対し、光は作業する手を止め少し困った顔をして“すみません、好きな人がいるんです”と答えた。
“でも付き合ってるわけじゃないんでしょ?”と彼女が尋ねると、光は“それでも好きなんです”と言ってまた作業を続けた。
その言葉を聞いた途端、胸がしめつけられるように痛んで涙が溢れそうになり、コーヒーは買わずに踵を返してオフィスに戻った。
やっぱり光のことを突き放すなんて私にはできない。
離婚した時点で嫌いになれていたら、あれから5年間も苦しまなかった。
好きだったから傷付いたし、嫌いになれないからこれ以上傷付け合わなくて済むように離婚したんだ。
私がもっと光を大事にしていたら、あんな風に別れたりはしなかったはず。
ずっとくっついていることはできないけれど、今なら昔みたいにお互いの気持ちを見失うことはないのかも知れない。
離れていた分だけ変わってしまったことに少し戸惑いはあるけれど、私たちはもうあの頃みたいに子供じゃない。
きっと大人として向き合えるはず。
だったら私は…。
あれからずっと考えたけど、今私がどうするべきなのか、私はどうしたいのか答は出ないままだ。
会社で門倉と顔を合わせてもまともに目を見ることもできないから、必要以上の会話もせずにその場を離れる。
今日は自販機の補充に来ていた光を見かけた。
光が来る日を知っているのか、また営業部のあの子が一生懸命光を口説いていた。
“私と付き合って”と言う彼女に対し、光は作業する手を止め少し困った顔をして“すみません、好きな人がいるんです”と答えた。
“でも付き合ってるわけじゃないんでしょ?”と彼女が尋ねると、光は“それでも好きなんです”と言ってまた作業を続けた。
その言葉を聞いた途端、胸がしめつけられるように痛んで涙が溢れそうになり、コーヒーは買わずに踵を返してオフィスに戻った。
やっぱり光のことを突き放すなんて私にはできない。
離婚した時点で嫌いになれていたら、あれから5年間も苦しまなかった。
好きだったから傷付いたし、嫌いになれないからこれ以上傷付け合わなくて済むように離婚したんだ。
私がもっと光を大事にしていたら、あんな風に別れたりはしなかったはず。
ずっとくっついていることはできないけれど、今なら昔みたいにお互いの気持ちを見失うことはないのかも知れない。
離れていた分だけ変わってしまったことに少し戸惑いはあるけれど、私たちはもうあの頃みたいに子供じゃない。
きっと大人として向き合えるはず。
だったら私は…。