傷痕~想い出に変わるまで~
「どうしようかと思ったんだけどね。このままここで眠らせてるより、瑞希ちゃんが持っててくれた方が光も喜ぶんじゃないかなって。あっ、もちろん迷惑でなければよ。」
「迷惑なんかじゃないです。」
別れても誕生日には私のこと考えてくれてたんだな。
どんな気持ちでこのピアスを選んだんだろう?
封筒から取り出してメッセージカードを開いた。
淡いピンク色のカードには青色のインクで短いメッセージが書かれている。
《瑞希、誕生日おめでとう。
本当にごめん。今も愛してる。》
最後に会った日の光を思い出して涙が溢れた。
“嘘でもいいから、愛してるって言って”
光はあの時、もう会えないことをわかっていたからそう言ったんだと思う。
ずっと一緒にはいられないから、この世を去る前に一瞬だけでも愛し合っていた頃の二人に戻りたかったんじゃないか。
私のために嘘をついてくれた光の優しさが、今更ながら胸に染みた。
「瑞希ちゃん、この2年間ありがとう。何度も会いに来てくれて嬉しかった。光も喜んでると思う。」
「いえ…。」
「でもそろそろ自分を解放してあげて。光はもう瑞希ちゃんを幸せにはしてあげられないけれど、瑞希ちゃんを幸せにしてくれる人はいるでしょ?」
別れ際に光のお母さんが言った。
「ついさっき瑞希ちゃんの同僚だっていう背の高い男の人が光に会いに来てくれてね。光の分まで瑞希ちゃんを幸せにしたいって。食事を勧めたんだけど遠慮されて…これから光のお墓参りに行くって言ってたわ。」
「迷惑なんかじゃないです。」
別れても誕生日には私のこと考えてくれてたんだな。
どんな気持ちでこのピアスを選んだんだろう?
封筒から取り出してメッセージカードを開いた。
淡いピンク色のカードには青色のインクで短いメッセージが書かれている。
《瑞希、誕生日おめでとう。
本当にごめん。今も愛してる。》
最後に会った日の光を思い出して涙が溢れた。
“嘘でもいいから、愛してるって言って”
光はあの時、もう会えないことをわかっていたからそう言ったんだと思う。
ずっと一緒にはいられないから、この世を去る前に一瞬だけでも愛し合っていた頃の二人に戻りたかったんじゃないか。
私のために嘘をついてくれた光の優しさが、今更ながら胸に染みた。
「瑞希ちゃん、この2年間ありがとう。何度も会いに来てくれて嬉しかった。光も喜んでると思う。」
「いえ…。」
「でもそろそろ自分を解放してあげて。光はもう瑞希ちゃんを幸せにはしてあげられないけれど、瑞希ちゃんを幸せにしてくれる人はいるでしょ?」
別れ際に光のお母さんが言った。
「ついさっき瑞希ちゃんの同僚だっていう背の高い男の人が光に会いに来てくれてね。光の分まで瑞希ちゃんを幸せにしたいって。食事を勧めたんだけど遠慮されて…これから光のお墓参りに行くって言ってたわ。」