傷痕~想い出に変わるまで~
「その原因は聞いてないのか?」
「新卒で結婚してたから新人の頃から目立ったみたいだけど…4年目に配属された営業部で、なかなか婚活がうまくいかない上司とか、結婚間近だった彼女と別れて間もない先輩から目の敵にされたって。」
門倉は心底呆れたと言いたそうな顔をして枝豆の殻を殻入れに放り込んだ。
「嫉妬かよ…。後輩相手に大人げないやつらだな。」
「仕事のミスをなすりつけられたりしたことも何度かあって、極めつけは大きな取引先との契約の手続きの日に手直しの済んだ書類を手直し前のものと差し替えられて、先方を怒らせたらしいのね。それで契約自体が流れちゃったとかで、職場の人たちの目の前で上司に罵倒されて全員から白い目で見られたらしい。」
いわゆるパワハラってやつだ。
光がどんなに頑張っても認められず、覚えのないミスを大勢の人の前で罵られたのだから本当につらかったと思う。
「それにしても変な話だな。入社して1年とか2年とか、早くに結婚するやつなんてうちの会社にだっているだろう?そんな目の敵にされるようなことか?」
「うん…それもそうだね。少なくとも営業職に就くまでは普通に会社に行って仕事してたはずだから、会社に行けなくなったのは営業部の上司と先輩にされたことが原因なんだと思う。」
もし結婚していなければ上司や先輩に虐められることもなく、そんな事態は避けられただろうか?
“うまくいかないのを全部瑞希のせいにしてた”と光は言っていたから、もしかしたら私との結婚を後悔していたのかも知れない。
「新卒で結婚してたから新人の頃から目立ったみたいだけど…4年目に配属された営業部で、なかなか婚活がうまくいかない上司とか、結婚間近だった彼女と別れて間もない先輩から目の敵にされたって。」
門倉は心底呆れたと言いたそうな顔をして枝豆の殻を殻入れに放り込んだ。
「嫉妬かよ…。後輩相手に大人げないやつらだな。」
「仕事のミスをなすりつけられたりしたことも何度かあって、極めつけは大きな取引先との契約の手続きの日に手直しの済んだ書類を手直し前のものと差し替えられて、先方を怒らせたらしいのね。それで契約自体が流れちゃったとかで、職場の人たちの目の前で上司に罵倒されて全員から白い目で見られたらしい。」
いわゆるパワハラってやつだ。
光がどんなに頑張っても認められず、覚えのないミスを大勢の人の前で罵られたのだから本当につらかったと思う。
「それにしても変な話だな。入社して1年とか2年とか、早くに結婚するやつなんてうちの会社にだっているだろう?そんな目の敵にされるようなことか?」
「うん…それもそうだね。少なくとも営業職に就くまでは普通に会社に行って仕事してたはずだから、会社に行けなくなったのは営業部の上司と先輩にされたことが原因なんだと思う。」
もし結婚していなければ上司や先輩に虐められることもなく、そんな事態は避けられただろうか?
“うまくいかないのを全部瑞希のせいにしてた”と光は言っていたから、もしかしたら私との結婚を後悔していたのかも知れない。