傷痕~想い出に変わるまで~
光は私の友人でもある藤乃と不倫していることがバレてはまずいと思ったらしく、私が眠っている間に二人で部屋を出たらしい。
それから2日間、光は帰ってこなかった。
藤乃の部屋でほとぼりが冷めるのでも待っていたんだろうか?
「藤乃の姿は見なかったかも知れないけどさ。シノの留守中に光が女を連れ込んでるのには気付いたわけだろ?それでもシノは何も言わなかったのか?」
「言わなかったよ、何も。その時にはもう完全に夫婦関係は破綻してたし、光は別の人を選んだのかなって。高熱で倒れた妻を放置して女と出てくくらいだし、私のことはもう好きじゃないんだなと思ったから。」
小塚は空いたグラスにワインを注ぎながら眉間にシワを寄せてため息をついた。
「光はシノが責めるの待ってた。」
「え?」
「シノがまだ少しでも自分のことを好きだと思ってるなら泣いて怒って責めるだろうって。そうしたら素直に謝って藤乃とは別れようと思ってたみたいだけどな。シノが何も言わなかったから、もうこれ以上夫婦でいることは無理なんだって光は思ったんだ。」
「それで離婚…?」
「それもあるけど…今までのことをシノにバラすって、光は藤乃に脅されてたらしいからな。それだけは避けたかったんだろ。」
二人の話では最初から本気だったのは藤乃の方で、光は私の身代わりを藤乃に求めていたらしい。
髪が長くて背格好が私と似ていたからというだけの理由で、藤乃に私の面影を重ねていたそうだ。
それから2日間、光は帰ってこなかった。
藤乃の部屋でほとぼりが冷めるのでも待っていたんだろうか?
「藤乃の姿は見なかったかも知れないけどさ。シノの留守中に光が女を連れ込んでるのには気付いたわけだろ?それでもシノは何も言わなかったのか?」
「言わなかったよ、何も。その時にはもう完全に夫婦関係は破綻してたし、光は別の人を選んだのかなって。高熱で倒れた妻を放置して女と出てくくらいだし、私のことはもう好きじゃないんだなと思ったから。」
小塚は空いたグラスにワインを注ぎながら眉間にシワを寄せてため息をついた。
「光はシノが責めるの待ってた。」
「え?」
「シノがまだ少しでも自分のことを好きだと思ってるなら泣いて怒って責めるだろうって。そうしたら素直に謝って藤乃とは別れようと思ってたみたいだけどな。シノが何も言わなかったから、もうこれ以上夫婦でいることは無理なんだって光は思ったんだ。」
「それで離婚…?」
「それもあるけど…今までのことをシノにバラすって、光は藤乃に脅されてたらしいからな。それだけは避けたかったんだろ。」
二人の話では最初から本気だったのは藤乃の方で、光は私の身代わりを藤乃に求めていたらしい。
髪が長くて背格好が私と似ていたからというだけの理由で、藤乃に私の面影を重ねていたそうだ。