俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



「美月、お先~」



ダイニングテーブルに二人分のサラダを運んでいると。


グレーのスウェットに着替えた大地が、首から下げたタオルで濡れた髪をかわかしながら現れた。


その濡れた髪から香る、シャンプーの甘くいい匂いも。


湯上りで血色のよくなった、上気した頬も。


やっぱり、色っぽくて。



「カレー、できたから、もう座って待ってて」



ダメだ。


ドキドキしちゃって、大地を直視することができなくなる……。



「やった!カレー、カレー!」



私のそんな気も知らない大地は、子供みたいに喜んでいる。


湯上りの色気ある大地もいいけど、無邪気な大地も可愛いくていいなぁ……。


……って、何考えてるんだろ、私っ。


さっきから、大地のことばっかり考えちゃうなんてっ。





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