俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「作ってくれたお礼に、片付けは俺がしとくから、美月は湯船が冷めないうちに風呂入ってこいよ」
「……でも、洗い物は私の仕事だし」
ただえさえ、今日は大地に迷惑ばかりかけてるのに悪いよ……。
「たまには素直に甘えろよ。な?」
「……っ」
優しい目をして微笑む大地に胸がキュッとなる。
「……お皿、割らないでよ?」
素直に甘えたいのに、甘えられなくて。
いつもこんな可愛くないことばかり言ってしまう自分がほんとに嫌になる。
「おう!任せとけって!」
大地は、腕捲りしながら笑ってくれてるけど。
こんな私じゃ、いつかきっと大地だって嫌になる。
そう思ったら、急に不安になって。
すごくすごく、怖くなった。
どうしたら、私も大地みたいになれる?
思ったことを、まっすぐに伝えられるようになるの……?
素直になることって、すごくすごく難しいよ……。