俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~


布団の中で両耳を手で塞いでいても、雷の音がする。



ヤダヤダ、遠退いてよっ!


だけど、私の気持ちとは裏腹に、その音はどんどん大きくなるばかりで。



──ゴロゴロゴロッ!!



物凄い音を立てて鳴り響く雷に、私は。



「……キャッ!」



ついにこらえていた声がもれてしまった。


ヤダヤダ、ほんとにヤダ!


早くおさまってよっ!


どうしようもなく心細くて。


隣の部屋にいる大地のところに行きたい衝動にかられる。


でも、きっと大地はもう寝てるよね……。


だって、さっきあんなに眠そうにしていたし……。


それに、これ以上、大地に迷惑かけたくない。


でも……



──ゴロゴロゴロッ!!



「……きゃあっ!」



やっぱり、怖いよっ!



そのとき。



──トントン!


部屋のドアがノックされた。







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