俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「なぁ、知ってた?俺の両親と美月の両親も、2年のとき、このクラスだったって」
「……そうなの?」
ここが、私たち両親の出会った場所だったんだ……。
なんだかその場所に自分がいるなんて、すごく不思議な気分だ。
ここで芽生えた、恋と友情。
私のお父さんと大地のお父さんは親友で。
お母さん同士も、2年のときに同じクラスになったのがキッカケで仲良くなったって聞いたことがある。
お母さんたちは、どんな青春時代を過ごしたのかな。
どんな高校生してたのかな。
この場所で私が大地と再会できたのも、何かの縁なのかもね──。
「あ、そうだ。美月、昼休み校内の案内ヨロシク頼むな」
「……え?ちょっ、」
「じゃ、チャイム鳴ったから俺戻るわ」
ニコッと笑うと、大地はさっさと戻っていってしまう。
もう。なんなの?
そんなこと、勝手に決めないでよ……。