俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~


「まさか、イケメン転校生が美月と幼なじみだったとはね~」



大地がいなくなった途端、背後から聞こえてきたのは、不服そうな愛美の声だった。


でも、私は絶対に振り返らない。


あくまでも聞こえていないフリだ。


それでも、愛美は一方的に続ける。



「けど、大地くんはあたしがもらうから」



……どうぞご勝手に。


っていうか、大地はモノじゃないし。


あげる、あげないとかそういう問題じゃないでしょ?


なんで愛美は昔から私と張り合いたがるかな。


自分が一番じゃなきゃ気がすまなくて、負けず嫌いで。


中学のあのときだってそうだった。


そんなに私が気に入らないなら放っておけばいいだけのことなのに。


ほんと、いつまでもくだらないことしてるよね。


だから、絶対に相手になんかしてやらない。









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