俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



憂鬱なお昼休みを前に、トイレの個室でため息を吐く私。


愛美とお昼ご飯を一緒に食べるなんて、本気で嫌でたまらないよ。



「……はぁ」



考えただけで、また勝手にため息がこぼれる。


ここから出たくないな。


でも、ずっといられるわけもないし……。


そろそろ、覚悟して出ようかと決めた、そのときだった。



「ねぇ、カオリ。シオン機嫌直してよぉ~」



……え?愛美の声?



「だから、もううちらに話しかけないでって言ってるでしょ?」


「さっさとあのイケメントリオとご飯でもなんでも食べてくればいいじゃん!」



どうやら、愛美がいつも一緒にいる、カオリとシオンもいるみたいだ。


何やらモメてる感じの3人。


私は出ていくタイミングをすっかり失ってしまった。


こんなところでケンカしてないで、さっさと出ていってよ……。


息をひそめながら願っていると。





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