俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~


俺は、美月が気になって追いかけた。



「美月、」



ちょうど自販機から出てきたばかりのいちごみるくを取り出していた美月に声をかけると、それに反応して肩をビクつかせ、俺の方へと振り向く美月。



「美月、ほんとそれ好きだよな」


「いいでしょ、別に……」



恥ずかしそうにしながら、パックのそれにストローをさすと、ちゅーっと飲む美月が可愛い。



「そんなに旨いなら、俺もそれにしてみよっと」



美月と同じのが飲みたくて、小銭を入れてボタンを押す。



「……甘っ!」



口に入れたとたん、いちごみるくの甘みが全体に広がった。


これを好んで飲んでる美月はマジで甘党だわ。



「なぁ、美月」



美月はいちごみるくを飲みながら、目線だけを俺に送る。



「修学旅行の二日目の自由行動はさ、」


「……?」


「俺と一緒に過ごしてよ」


「……ぶっ!……ゴホッ、ゴホゴホッ!」










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