俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「おい、大丈夫かよ?」
いちごみるくがへんなところに入ったのか、むせて苦しそうにしてる美月の背中をさすってやる。
「……ゴホッ。だって、大地が、……急に変なこと言うからっ……ゴホッ、」
涙目になりながら俺を睨んでくる美月。
怒ってるのかもしんないけど、そんな目で見られたら逆効果だから。
「俺は大真面目で言ってんだけど?」
俺は、美月の目の縁についた涙を指で拭った。
「USJは、美月とふたりだけで回りたい」
周りに邪魔なんかされずに、ふたりだけで。
だけど、顔を真っ赤にさせて黙り込む美月。
「……ダメ?」
首を傾け、美月の顔を覗き込む。
すると。
「……大地が、テストで全教科平均点以上とったら、ね」
そう言うと、すぐにフイッと顔を背ける美月。
けど、俺はもう知ってるよ?
そうやって美月が顔をそらすときは、照れてるときだってこと。