俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~


「おい、大丈夫かよ?」



いちごみるくがへんなところに入ったのか、むせて苦しそうにしてる美月の背中をさすってやる。



「……ゴホッ。だって、大地が、……急に変なこと言うからっ……ゴホッ、」



涙目になりながら俺を睨んでくる美月。


怒ってるのかもしんないけど、そんな目で見られたら逆効果だから。



「俺は大真面目で言ってんだけど?」



俺は、美月の目の縁についた涙を指で拭った。



「USJは、美月とふたりだけで回りたい」



周りに邪魔なんかされずに、ふたりだけで。


だけど、顔を真っ赤にさせて黙り込む美月。



「……ダメ?」



首を傾け、美月の顔を覗き込む。


すると。



「……大地が、テストで全教科平均点以上とったら、ね」



そう言うと、すぐにフイッと顔を背ける美月。


けど、俺はもう知ってるよ?


そうやって美月が顔をそらすときは、照れてるときだってこと。







< 157 / 355 >

この作品をシェア

pagetop