俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
【こんばんは☆実は、大地くんに相談したいことがあるんだけど、明日のお昼休み、よかったらふたりだけで話せないかな?】
送り主は、愛美ちゃんだった。
俺に相談したいことってなんだ?
っていうか、なんで俺に?
「大地、険しい顔してどうかした?」
ココアの甘い香りがしたかと思ったら、美月がマグカップのひとつを俺の前に置いてくれた。
「そんな顔してた?お、ココア旨そ!」
愛美ちゃんから相談したいことがあるって言われたんだけど……なんて、美月には言えるはずもなく。
俺はスマホをラグの上に置くと、淹れたてのココアにそっと口をつけた。
「……あっつ!」
ヤケドしたかも。
そういや、俺って猫舌なんだってこと忘れてた。
そんなこと思ってたら、再び鳴るラインの音。
横目でチラッとスマホの画面を見ると。
【大地くんにしか話せないことなの…】
また愛美ちゃんからだ。
【わかった。じゃあ、明日の昼休み、屋上でどう?】
俺が送り返すと、すぐに既読がつく。
【ありがとぉ、大地くん。じゃあ、また明日ね。おやすみなさい♪】
【おやすみ】
それだけ入れると、スマホの電源を落とした。
美月との貴重な勉強時間をこれ以上誰かに邪魔されんのはゴメンだ。