俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
トラブル、勃発。【美月side】
──昼休み。
愛美がみんなで食べようと言い出したあの日から、なんとなくの流れで昼休みは例のメンバーと一緒に教室で食べるのが恒例化されてしまっていた。
だけど、今日も大地と愛美はここにはいない。
「……ごちそうさま」
そういって、お弁当箱を片づけようとすると。
「美月ちゃん、お弁当そんなに残して、もしかして具合でも悪いの……?」
隣に座っていた菜乃花が心配そうに声をかけてきてくれた。
「……うん、ちょっと風邪っぽくて」
喉が痛くて、体もなんとなくだるかった。
だけど、食欲がないのは、風邪だけが原因ではなさそう。
私は、まだ帰ってこないふたりのことが気になってはため息をつく。
私と家でテスト勉強してるときも、大地のスマホはよくラインが来てるみたいだし。
その相手が愛美なんじゃないかと思うだけで気が気じゃなくて、不安でたまらなくなる。
ここ最近のふたりは、急速に接近してるような気がするから……。
「美月ちゃん、大丈夫?明日からテストだし、今日は帰ったらゆっくり休みなよ?」
「そうそう、テスト終わったらすぐに修学旅行だしな」
「……うん、そうする」
タケルくんと要くんにも心配され、私は素直に返事を返した。
熱なんか出したら大変だし、みんなの言うように今日こそは早く寝ようかな……。