俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「タケルくんが言ってる意味が、あたしにはほんとにわかんないんだって!」
シオンはみんなから責められ、ついには泣き出してしまった。
それを見かねたカオリがシオンの横に立ち、タケルくんを睨むようにして見上げる。
「ねぇ、タケルくん。あたしもシオンも、愛美が嫌がらせをされてたなんて今初めて知ったんだよ?それに、シオンがやったっていう証拠はあるの?」
「……証拠は、ないけど。あいみんの机に“死ね”って言葉を彫ったり、下駄箱にへんな手紙入れたりしてたんでしょ?なぁ?そうだろ、あいみん」
タケルくんはそう言うと、振り返り、愛美を見下ろす。
すると、愛美は戸惑いの表情を浮かべながら、床に視線を落としているままだった。
「……愛美ちゃん。もう白状すれば?」
そう告げたのは、それまで愛美の少し後ろに立っていた、大地だった。
その言葉に、誰よりも驚いていた顔をしていたのは、愛美だった。