俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



机に肘をついて頭を抱え込む私に、となりの席の要くんが先生に気付かれないように小声で声をかけてきてくれた。


「美月ちゃん?もしかして具合悪いんじゃない?大丈夫?」


「……平気。大丈夫だから、」



だけど、いくら言葉では平気を装っても、頭痛と寒気がひどくてガタガタと震えが止まらない。


この調子じゃ、午後の授業をこなせる気がしないし、先生に話して早退させてもらおうかな。


そう思った、そのときだった。



「先生!土屋さんが具合悪そうなんで、保健室連れて行ってもいいですか?」



突然聞こえたその声は、間違いなく大地のものだった。


どうして、私が具合悪いって気づいたの……?





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