俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「土屋、7秒13!」
ゴールで待ち構えていた記録係の男子に告げられる。
「うおっ!すっげ!」
「あいみんのタイム、余裕で抜いちゃったよ」
「やっぱマドンナ様は違うよな~!」
やめてよ、そういう何気ない一言が、プライドが高い愛美を傷つけるんだから。
「美月!お疲れっ!」
歩いてると、後ろから背中を軽く叩かれる。
ムッとして見れば、笑顔の大地と目が合った。
「美月が女子の中で一番速いとかすげーじゃん!」
だから、大地もそういうのやめて。
「別に、すごくないし」
大地に素っ気なく返すと。
「美月に負けちゃったよぉ~、悔しいなぁ~」
背後から甘ったるい声がして。