俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



──昼休み。



「美~月っ!約束どおり、校内案内して?」



チャイムとほぼ同時に私の席までやって来たのは、言うまでもなく大地で。



「約束なんかしてない」



大地が勝手に決めたことでしょうが。



「んな冷たいこと言うなよ~。俺たち、幼なじみだろ?」



大地は腰を屈めると、椅子に座ったままの私の肩に手を回してきた。


至近距離でその大きな目と視線がぶつかって、心臓がドクン!と音を立てる。



「ちょっ、気安く触らないでよ」



ヤダ。なんか大地からチャラ男臭がするんだけど。


キッと大地を睨み付けると。



「そんな怖い顔したら、せっかくの美人が台無しだぞ?」


「美人なんかじゃないし」



口までうまいってどういうことなの。


北海道の高校では、どんな高校生活送ってたんだか。



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