俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
後ろから私の耳に口許を寄せ、そう言ってきたのは愛美だった。
「もうすぐ修学旅行でしょ?みんなそれまでに相手作ろうと必死なんだよ」
「…………」
だから、北田さんも大地に告白するために呼び出したとでも言いたいの?
「大地くんモテるから、修学旅行までにまだまだいろんな子からコクられちゃいそうだね?」
「……っ、」
そんなの、知らないよ……。
「それより、さっき大地くんと、USJデートがどうとか話してたけど、」
……っ!
「……愛美には関係ないでしょ!」
咄嗟に言葉を遮ってしまった。
だって、どうしても邪魔されたくない……。
「なによ。どうせ、ふたりで回る約束でもしてるんでしょ?」
「……っ!」
「だったら、あたしも一緒に入れてよぉ。USJでぼっちとか、さすがにサミシイじゃない?」
「冗談やめて!そんなの、自業自得でしょ!?」
感情的になって、思わず声を張り上げてしまったことにハッとする。
周りのみんなも、何事かとびっくりした顔で私のことをみていた。