俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~


「……はぁ、」



どうして、いつも愛美のことでこんなに神経使わなきゃいけないの。



「どした?ため息なんかついて」


「……大地、」



おかえり。早かったね。


北田さんは、なんの用だったの?


そう聞きたいのに、聞けなかった。


でも、大地は、いつもと変わりない様子。


愛美は勝手に“告白”だと決めつけてたけど。


実は違ったんじゃない?



「北田さんの顔見たらわかったでしょ?」



平然を装い、話をそらす私。


すると。



「あ~、そういえば前にも話したことある子だった」



……ズキッ。


返ってきたのは、予想外な言葉で。



「……へぇ。そうなんだ、」



興味ない素振りをしてみるけど、胸のざわつきは増すばかり。


だって、前にも話したことあったなんて……。


私の知らないところで、大地が女の子と話してるところを想像するだけで嫌な気持ちになってしまう。


私って、こんなに嫉妬深かったんだ……。



< 233 / 355 >

この作品をシェア

pagetop