俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
でも、私に言えるのかな?
大地のことが好きだって。
その瞬間を想像してみる。
「…………」
うわ、やっぱ言えないよ。
超恥ずかしいもん……。
ドキドキしすぎて倒れそう。
大地が好きだって言ってくれたとき、すぐに自分の気持ちを伝えられなかったのは。
愛美のせいにしてたけど。
本当は、私の問題なんだと思い知らされる。
私さえ、勇気を出して素直にならない限り、大地とは一生、思いを通わせることはできないんだ……。
「……っ、」
そんなの、嫌だよ……。
でも……。
ぐるぐると同じことばかりが頭をかけめぐる。
そうしてる間にも時間は流れ、修学旅行に旅立つ朝を迎えた──。