俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「そうだ!俺、みんなでUNOやろーと思って持ってきてたんだった」
「いいねいいね!修学旅行っぽ~い♪やろやろぉ~♪」
タケルの提案に一番にのっかったのが愛美ちゃんだった。
「でしょでしょ?あ、新幹線発車した!うわ!新幹線、すげー!超はえー!さよなら、東京!待ってろよ、大阪ー!」
タケルは、新幹線に乗るのが初めてなのと、修学旅行ってのもあっていつもよりもテンションが高い。
けど、よかった。
タケルと愛美ちゃんがふつうに話してるのを聞いてホッとしたよ。
あの一件以来、愛美ちゃんは誰にたいしても何事もなかったかのような立ち振舞いなんだけど、タケルは愛美ちゃんとどう接したらいいのかわかんないって気まずそうにしてたから。
けど、誰よりもムードメーカーなタケルだからこそ、愛美ちゃんと気まずくしてたら、みんなの空気も悪くすると思って、タケルなりに頑張ってくれてんだよな。
それに、要にも、
“俺がこの修学旅行で要と菜乃花ちゃんをくっつけてやるからまかせろ!”って。
俺らにも、“大地も美月ちゃんもそのための協力ヨロシク頼むな!”って、張り切ってたしな。
タケルって、友達思いのいいヤツだよな。