俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
新幹線に乗ってから、約三時間。
「大阪、上陸~~っ!!」
相変わらずテンションが高いタケルが、新大阪駅で両手を広げて叫んでいる。
あのあと、トランプもやったりしてたら、新幹線に乗ってる時間なんてあっという間だった。
ここからは、夕方まで班行動。
「あ~~、長旅で腹ペッコペコ~!さっそく、お好み焼き食いに行こうぜ~!」
先陣をきってあるきだしたタケル。
「おい、待てタケル。そっち方向真逆」
しっかりものの要がタケルの首根っこをつかんで取っ捕まえてる。
「マジかよ、俺カッコ悪」
シュンとしたタケルは、まるで捕らえられた猫のようで。
「クスッ」
そのやり取りを見ていた美月のツボに入ったのか、美月はしばらくの間クスクスと笑っていた。
美月の笑顔が見れると俺まで笑顔になるし、嬉しくなる。