俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「……はぁ、はぁ」
だいぶ走り、息切れしてる美月。
俺たちは、いったん脇道に入ると、身をひそめた。
「大丈夫か?怖かったよな」
美月の手がずっと震えてたのに気づいてた。
俺は、安心させようと美月を抱き締めめる。
走ってたから、お互いの心臓がバクバクいってるのが伝わってきた。
「俺がいなかった間になんかされてない?」
その質問に、美月が腕の中でコクンと頷く。
「よかった」
それを聞いて、安堵のため息がもれる。
「けど、もっと自分が可愛いこと自覚しろよ。もう絶対にひとりで先行くなよ?」
どんだけ心配したと思ってんだよ。
「これ以上、美月に何かあったら、俺の心臓持たないっつーの」
俺、美月のことになると、過保護なくらい心配性なんだから。
美月は“ごめんなさい……”と小さな声で謝ると、俺の背中に腕をまわし、ギュッと抱き締め返してきてくれた。
素直な美月、ほんと可愛いすぎ。