俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



「ごめんなさい。実は、たこ焼きは大地が買ってくれたんだけど、戻る途中で私がちょっとタチの悪い男の人たちに絡まれて……。大地は私を助けようとして、そのときに買ったたこ焼きが……」


「マジかよ!?美月ちゃん、こっちに来てまでナンパされるとかさすがだな!」


「タケル、ふざけんなよ。あれは、ナンパじゃなくて、下手すら誘拐されててもおかしくねーくらいヤバかったんだからな」



それを聞いていた大地がイラッとしながら答えた。



「えぇっ!?誘拐なんて、超物騒!!」



オーバーなくらい声をあげる愛美。



「そこを大地くんが助けてくれたってことだよね?よかった、美月ちゃんが無事で……」



それに比べて、ホッと胸を撫で下ろす菜乃花は、ほんとに心配してくれてたんだと伝わってくる。



「そんなわけで、たこ焼きの件はほんと悪かった。またあとで違う店で食べようぜ」


「気にすんなよ。腹が空きまくってる分、この特盛のお好み焼きを堪能できそうだし♪」



鉄板の上のお好み焼きを見つめながら、タケルくんはじゅるりと舌なめずりした。

< 254 / 355 >

この作品をシェア

pagetop