俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「あ、あたしたちの部屋のルームキーならもう受け取ってるからね♪」
相変わらず、何事もなかったかのような愛美に苛立ちが隠せない。
男子たちもフロントでルームキーと荷物を受け取ると、みんなでエレベーターに乗り込む。
菜乃花と愛美と私の3人は同室で、部屋は8階。
大地は、タケルくんと要くんと同室で、部屋は7階にあった。
エレベーターが7階で止まり、男子たちが降りる直前。
「愛美ちゃん。あとで今日のことで話があるから、支度できたら俺らの部屋に来て。もちろん、美月と菜乃花ちゃんも一緒に」
真顔の大地が愛美に向かってそう告げる。
「うん、わかったぁ~。じゃ、またあとでねぇ♪」
この場の空気には似合わない受け答え方をする愛美に、私の苛立ちは募る一方だった──。