俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



美月たち、来たのかな。



「俺、出るよ」



そう言って立ち上がると、ドアを開けた。



「お待たせ~!お邪魔しま~すっ♪」



私服に着替えた愛美ちゃんが、俺の横をすり抜けるようにしてを部屋の中へ。


そのうしろにいた菜乃花ちゃんも、“お邪魔します”と遠慮がちに部屋にあがる。


最後に、美月と目があったとき、どちらからともなくはにかんだ。


俺の部屋に美月が来てくれるとか、なんか、テレる。



「どうぞ?」


「……うん。お邪魔します」



これで全員揃ったな。


時間もないし、さっそく本題に入る。



「なぁ、愛美ちゃん。さっきの話に戻るけど、なんで連絡もなしに勝手にひとりでホテルに行っちゃったの?」


「だって、いっぱい歩いたから疲れちゃったんだもん」



俺の問いに、愛美ちゃんは平然とそうこたえた。




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