俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
愛美ちゃんとの関係を、腐れ縁と言った美月。
「その上、この腐れ縁を呪いたくなるほど、愛美のことなんて大嫌いだった」
そう言ってのけた美月の言葉に、俺以外のみんなは絶句している。
「愛美のことなんて、ずっといなくなればいいって思ってたし、愛美がいなくなった世界を想像するだけでせいせいしてた。なのに、さっき愛美がいなくなったとき、自分が想像してたような気持ちとは違う感情があふれて、気づいたら……」
気づいたら、泣いてた。そうだろ?
「自分でも自分のこの感情がわかんない。でも、嫌いって思う気持ちが強いほど、それだけ相手への関心がある証拠なのかな……」
「……」
「私、愛美と話してくる」
「え?美月っ!?」
あっという間に部屋を飛びだした美月。
けど、美月は、愛美ちゃんと向き合うことを決めたんだな──。