俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
似た者同士。【美月side】
大地たちの部屋を飛び出したけど、すでに廊下にはもう愛美の姿はなかった。
愛美、どこにいるの?
もし、愛美が泣いてるとしたら……
きっと、ひとめにつかない場所にいるにはず。
だとしたら……。
私は、急いで自分達の部屋に行ってみることにした。
──トントン!
部屋の前につき、ドアをノックするけど、応答がない。
「ねぇ、愛美?いるんでしょ?」
確証はないけれど、愛美はここにいるような気がするんだ。
だから、私は隣の部屋の人たちに迷惑を承知で声をあげる。
だって、どうしても愛美と話がしたいの。
そのうちじゃなくて、今、この瞬間にどうしても──。
だから、
「お願いだから、開けて!ねぇ、愛美っ……」
──ガチャ。
ドアをノックしてると、鍵が開く音が聞こえた。
ゆっくりとドアノブにてをかけ、押してみる。
……開いた!
私は、深呼吸をひとつすると、部屋の中へと足を踏み込んだ。