俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「努力なんてしなくても、綺麗で、友達もいて、家庭環境にも恵まれてる美月がうらやましくてしかたなかったんだもん!」
愛美は悔しそうに顔を歪める。
つまり、今までの数々の仕打ちは、私への妬みからしたことだっていうの……?
同姓からの妬みほど怖いものはないっていうけど、まさにそのとおりだと思った。
「おまけに、あんなイケメンにまで愛されちゃって、ほんとズルい」
……それ、大地のこと言ってる?
「さっきの大地くんがあたしを見るあの目、見たでしょ?」
──“どんな理由であれ、美月を傷つけるヤツは、男だろうと女だろうと、俺が絶対に許さないから、それだけは覚えといて”って。
大地が、愛美に向かってそう言ってくれたときの?
「凍りつきそうになるくらい、あたしへの敵意むき出しだった」
「……っ」
大地は、愛美から私を守ろうと、あんなことを言ってくれたんだよね……。