俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



「遅くなってほんとゴメンな?」



大地は私のことをよっぽど気にしてくれていたのか、すごく申し訳なさそうにしていた。


それなのに。



「いいの?撮影会の途中に抜け出したりして」



……こんな言い方ってないよね。


ほんと、可愛くない。



「……はぁ、」



すると、大地から聞こえてきたため息に、ヒヤッとした。


もしかして私、ついに大地に愛想尽かされちゃった?


そうだよね、こんな素直じゃない可愛くないことばかり言う女の子なんて嫌だよね……。


自分でも、わかってるの。


わかってるのに、どうしていつもこうなっちゃうんだろ。



うつむき、下唇をかむ。



「美月は、全然わかってねーな」



え?


顔をあげ、恐る恐る大地を見上げてみる。



「俺が今日をどんだけ楽しみにしてたと思ってんだよ?」


「……っ!!」

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