俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~



しかたなくカチューシャを受け入れ、そのあとの私たちは、人気アトラクションに乗ってまわったり、大地とふたりで写真もいっぱい撮った。


いつもは時間の流れがとても遅く感じるのに、大地といるときは、時間が早送りされてるんじゃないかと思うくらい、あっという間に時が過ぎていってしまう。


こんなに一緒にいるのに、こんなに近くにいるのに、もっとずっと大地と一緒にいたくて。


時間なんて、止まってしまえばいいのにとさえ思う。


それなのに、気付けばもうあたりは日が傾き、イルミネーションが点灯され始めた。


あと少しで、大地との時間が終わってしまう。



「……」



急に、さみしくなって、それまでの非日常空間から一気に現実世界へと引き戻されていくようだった。

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