俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
大地が言う、世界一高いクリスマスツリーを目指して歩いていく。
そのツリーを大地と一緒に見てみたいのに。
それを見たら今日が終わっちゃうと思うと、複雑な気持ちだった。
それに、私、まだ大地に何も伝えられてない。
肝心なこと、何も……。
だけど、いくら焦っても、時間は待ってなどくれなくて。
「うわー。さすが世界一なだけあって、迫力あんなー!」
ツリーの近くまで来た私たちは、下からそれを見上げる。
「……ほんとだね、すごく綺麗」
キラキラと宝石のように光り輝くツリーは、思っていた以上にその存在感を放っていた。
「今日は、一日美月と一緒に回れてほんと楽しかった。ありがとな」
「……っ」
大地を見上げると、イルミネーションのあかりで照らされた大地の笑顔が浮かび上がった。