俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
「菜乃ちゃんだけ幸せなんて、ずるーい!あたしだって負けないんだから!」
負けず嫌いな愛美はそう言いながら菜乃花をつついていた。
「そういう愛美は、狩野くんとどうだったの?」
「アツシのこと?どうもなにも、あいつはただのチームメイトだし。ひとりで回るのはさすがに嫌だったから、しかたなくだよ」
……狩野くん、可哀想に。
すると、菜乃花のスマホからラインの着信音が。
「あ、要くんからだ……」
「え?要くんから!?」
愛美が勝手に画面を覗きこむ。
「何々?“10時に8階の自販機のとこで会える?”だって。やだぁ、消灯後に抜け出して会うつもり?しかも、そのストラップ、昨日までなかったよね?もしかして、要くんとおそろ?もぉ、超ラブラブじゃん!」
ほんとだ……。
USJのキャラクターのストラップがついてる。
愛美の言葉を否定しないってことは、要くんとオソロなのかな?
こっそり密会の約束をしたり、オソロのストラップを身に付けたり。
やっぱり、うらやましいな……。