俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~

それに、気づけば10時までもうすぐじゃない?



「ごめんね、すぐに戻るつもりだけど、もし先生たちが見回りにきたときは、」


「わかってるわかってる。そのときはうまく誤魔化しておくから、ゆっくりいってきていーよ。楽しんできてねぇ~♪」


「ありがとう、愛美ちゃん。じゃあ、……いってきます」


「はいは~い、ごゆっくり~♪」



菜乃花は遠慮がちに部屋をあとにした。


なんだろう、幸せそうな菜乃花がうらやましいからかな。


今、無性に大地に会いたくてたまらないよ……。



「美月はいいの?大地くんとこのままで」


「……愛美には、関係ないでしょ」



私はフイッと顔を背ける。



「関係なくないから」


「はぁ?なんでよ?」


「ウジウジしてる美月見てるとムカツクの!」


「……っ!」



ムカツク、ムカツクって、ほんとなんなのよ?


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