俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~
恐る恐る、画面を確認すると。
【マジで?じゃあ、7階と8階の間の非常階段で待ってる】
「美月から会いたいって返事がきたら、大地くんだって間違いなく期待してるよ。もう逃げらんないからね?」
背後からした愛美の声にハッとして振り向くと、また勝手に画面を盗み見していた愛美がニヤリ、と笑っていた。
「人のライン勝手に見て、勝手に大地にあんなこと送って、逃げられない状況を作ったのは愛美でしょ?」
「こうでもしなきゃ、いつまでたっても美月が素直になれないでしょ?」
「……っ」
「それとも、あたしみたいに取り返しのつかないことになってもいいわけ?」
え?
「どういう意味よ?」
「あたし、美月との接し方間違ってた」
……接し方?
「ほんとはあたし、美月とずっと仲良くなりたかった」
「……っ!」
「なのに、どうしてこんなになっちゃったかな。最初からあたしが素直になれてたら、きっともっと違う関係でいられたよねあたしたち」
「……愛美、」
「今までのこと、ほんとに悪かったって思ってる。ゴメンね」
初めて明かしてくれた愛美の本音に、私は涙がこみあげてきた。