俺にだけは、素直になれよ。~幼なじみとヒミツの同居~




「美月、……それ、どういう意味?」



険しい表情の大地。



「……美月には、好きなヤツでもいんの?」



どうしよう。やっぱり、完全に誤解させちゃってるみたい。


これじゃ、ダメだよね。


やっぱり、ハッキリ言わなきゃ、伝わらないよね。




「……大地だよ、」


「……え?はっ?」



大地は、落胆していた顔をあげ、目を丸くさせながら私を見た。



私は生唾をゴクンと飲み込み、一呼吸置く。


恥ずかしくて、泣きたくて、フイッと顔を背けたくなるけど、その衝動をグッと我慢こらえた。


だって、これから言う肝心な言葉は、ちゃんと、目を見て伝えたいから。



「……私が好きなのは、大地なの」


「……っ!?」


「……だから、ただの幼なじみでも、ただの同居人でもなくて……
大地の彼女に……なりたい……です」


< 327 / 355 >

この作品をシェア

pagetop